それから3年半後6月24日午後2時8分 それから3年半後。 私は、市長と松平組合長、そして毛利さんをぼろ車に乗せ、3年半前に通った上山口の道を走っていた。 「見事に実ったもんだねは(感嘆)」 「なりましたわねえ」 組合長の感嘆に、市長も感慨深げに答える。 耕作放棄地に、3年半前とはうってかわって、たくさんの立木がならんでいる。そこには、鈴なりの実がついていた。一見、桃のような果実。でも色は茶緑で、必ずしも美味しそうには見えない。