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しおり市長の市政報告書 vol.6
12月8日午後3時8分 「市長!一言、お願いします!」 議場を出た後のしおり市長を、マスコミのカメラが取り囲んだ。 何台ものカメラのライトを向けられたしおり市長は、ステージでスポットライトを浴びたアイドルのように可憐だ。 いやいや、なに考えてんだ、俺。 私は、議場から出たところにある議員控え室の前で、遠目に様子をうかがっていた。 それにしても、天童市などという地方自治体の議会に、こんなにカメラが集まることなど滅多にない。このカメラの数は、しおり市長の注目度を証明している。
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しおり市長の市政報告書 vol.5
12月8日午後3時42分 「しかし、とんでもない『答弁』をなさったものですな」 市長室に入ってきてソファに座った丹羽議長は、開口一番にそう言った。 私はといえば、入室してきた丹羽議長にジロリと睨まれ、そのまま逃げることもかなわず、議長の後ろに突っ立っている格好になった。 ああした問題のあとすぐに(市長に呼ばれたとはいえ)一議員が市長室にいて、何事か話していた、というのはいかにもまずい。議長にどのように受け取られたか、どのような誤解があるか、気が気じゃない。 しかし、市長も議長も私のそんな気持ちなど気にする様子もなく対面している。
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しおり市長の市政報告書 vol.4
市長経歴概説(承前) その後、定期的にしーちゃんは天童に帰ってくるようになった。 どうやら本人が言っていたように、東京で都会的な遊びをするよりも、田舎の遊びが楽しくてたまらないらしい。 一緒に遊べる悪友を見つけたことで、頻繁に父の選挙区の地元に戻ってくる。 何度も遊ぶうちに、互いの呼び方も、いつのまにか「しーちゃん」「ケーちゃん」で定着した。
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しおり市長の市政報告書 vol.3
市長経歴概説 さてここで、市民の皆様に、私羽柴ケイスケと織田しおり市長の生い立ちと関係性について報告します。 市長室で二人きり、「ケーちゃん」などという呼ばれ方、ということで、妙な誤解を招かないとも限らないので。 別に意味深なことはなにもない。
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しおり市長の市政報告書 vol.2
天童市概論 山形県天童市。 人口6万2千人ほど。面積は113㎢。 山形県の内陸部にあり、県都山形市のすぐ北隣に位置する。位置的には便利な場所であって、交通の要衝と言っていい。 その位置を活かして、山形市のベッドタウンとして住宅を増やし、また、会社や工場の集積をはかって、戦後着実に人口を増やしてきた。昭和30年代には3万人台だった人口が、平成6年には6万人に達した。 とは言え、大都市とはとても言いがたく、田舎の小都市以上ではない。 中心からちょっと離れれば、のどかな田園地帯が広がり、東部は奥羽山脈がせまって高原地帯の風景も間近だ。
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しおり市長の市政報告書 連載vol.1
天童市議会議員、羽柴ケイスケ。 2期目、議席番号6番、会派「天和会」所属、党派保守系無所属。 昨年12月定例会から本年9月定例会までの市政報告をいたします。
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