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しおり市長の市政報告書 vol.24
1月7日午前10時15分 鳥獣被害の問題は難しい。 今回、「農業は問題にしていない」発言とともに、「鳥獣被害についてはまったく関係ありません」という台詞がマスコミに取り上げられ、さんざん叩かれた。 私も農家の人たちから話を聞いて、ある程度、農産物への鳥獣被害のことは知っているつもりだったが、今回、あらためて勉強するべく、松平農協組合長を訪ねた。
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しおり市長の市政報告書 vol.23
1月4日午後8時11分 「完全に追い詰められたな」 丹羽りょうたろう議長がバリトンで発言すると、ますます深刻さが増す。 私と森次郎副市長は、深くため息をついた。 三宝寺の庫裡でのことである。 市と商工会議所が主催する「新年賀詞交換会」のあとだった。市役所職員、議員、公民館長など地域の代表者、学校関係者、農業や商工や建設などの各種団体の長、天童市の財界の面々などが勢揃いして新年を祝う会だ。 温泉のホテルで例年なごやかに酒を交わすが、今年は非常に苦しかった。 ここに集まる人は市長に好意的な人が多いし、報道と実態が大きく違うことはわかっている。が、報道を信じている(あるいは市長批判のためにあえて信じ込んでいる)人もいて、市長の新年のあいさつは、なかなかに微妙なものになった。
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しおり市長の市政報告書 vol.22(第三章)
しおり市長が、市長就任以来の危機にさらされた12月定例会のあと。 あの小悪魔が、どうやって魔界から解決案を召喚し、どのような呪文で人を惑わし、どのような黒魔術でことをおさめたのか、市民の皆様に報告します。 第三章 1月閉会中~8月閉会中 年末マスコミ概況 12月の暮れから年初にかけて、しおり市長の危機は、おさまるどころか深刻化していった。 本当にマスコミというのは、巧妙だ。あるいは狡猾だ。
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しおり市長の市政報告書 vol.21
それから2年後6月14日午前9時7分 それから2年後。 私としおり市長は、天童温泉の一角にいた。 「どうだ、市長?立派にでぎあがったべ?」 隣で興奮気味なのは、上杉温泉組合長だった。 ここは、上杉組合長から2年前の夏に相談があった、農協の保養施設の跡地だった。かつて平地で雑草に覆われていた場所は、ログハウス風のおしゃれな建物がいくつか建ち、敷地内全体が統一感をもった公園のように整備されていた。
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しおり市長の市政報告書 vol.20
1年半前8月19日午後7時25分 数日後。 私としおり市長は、武田和竜住職にお呼ばれしていた。 夕暮れ時。夕涼みをしながら一杯やろう、というわけだ。日が落ちると見事な月が昇った。数日前の大雨が嘘のようだった。 三宝寺の池の畔。ザリガニしぇめ(捕り)で怒られた出会いから、何年経ったんだろう? いつもの東屋で、奥さんがつくってくれた料理をつまむ。酒は天童ワインの赤。静寂の中、涼風が吹きつける。最高の贅沢だった。 「ワインが冷えてて美味しいですね。住職はもっぱら日本酒党だと思ってましたが」
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しおり市長の市政報告書 vol.19
1年半前8月12日午後1時37分 私が市長に叩かれない、という珍事のせいか、次の日雨が降った。 そんな軽口が不謹慎なぐらいの、大雨だった。 まさに集中豪雨、時間雨量100㎜を超える雨が山形県内陸部をおそった。天童市もその被害を受け、中心部では道路が冠水してしまうほどだった。
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