DSC_21116月予算委員会の二問目に、山形大学における重粒子線がん治療施設への支援について質問しました。

私は、昨年の12月、千葉にある独立行政法人放射線医学総合研究所(放医研)を視察して参りました。その中にある重粒子線がん治療施設も見させて頂きましたが、重粒子線の装置の巨大さに驚きました。

皆さんもご存じかと思いますが、この巨大な施設で重粒子を加速させ、診療所で患者のがんの病巣にピンポイントで直撃させ、これによって、痛みも副作用も少なく早期がんや肉腫などに絶大な効果を発揮する最先端の施設です。世界にわずか7カ所しかない施設のうち、日本は4カ所を有し、最先端を走っているわけですが、これまで東北北海道は空白地帯でした。

しかし、この度、この施設が山形大学に設置されるという計画が進んでおり、がんの死亡率が全国でもトップクラスの山形県としては、非常にうれしいことだと期待しています。

昨年10月、山形大学は、整備構想を明らかにしました。これによれば、廃棄物ゼロを目指すエコ型であること、エネルギー削減の施設であること、総合病院接続型で省スペースの施設であることなどを掲げた「山形大学モデル・次世代型重粒子線装置」であるとのことです。これを平成25・26年度に開発し、27年度に建設に着手、31年10月の治療開始を目指す計画です。

文部科学省は、この装置を山形に整備するにあたり、4つの条件を出しました。①次世代型の装置の開発、②放医研などとの連携による研究体制の確立、③東北の医療機関とのネットワーク構築、と、ここまでの3条件はすでにクリアしました。問題は、「地元自治体、経済団体や企業などによる支援体制構築と資金面の協力」という条件です。

山形大学は、約130億から150億円かかると見込まれる整備費用については、「国に予算要求するが、地元自治体や民間からの支援が不可欠」と言及しています。

かなり大きな費用がかかるものではありますが、この施設ができれば、山形は東北におけるがん治療のメッカともなりますし、山形大学ひいては山形の医療のレベルアップにつながり、さらにはその最先端がん治療を学ぶ医師が山形に集うことになり、医師確保にもつながることが期待されます。年間の患者を約600人とした場合、設備投資が88億円、患者による年間支出が33億円で計121億円の経済効果があると試算されていて、地域経済に与える影響も大きいと思われます。

すでにこの施設がある群馬県や佐賀県では約20億円の支援をしました。

山形県においても、これぐらいの支援が必要でしょう。ただ、こうした支援をするためには一般財源が必要であり、しかも、こうしたケースでは、自治体がいくら支援する、という決まりはありません。そのため、県としてはいくらの支援に踏み切るか、まだ判断しかねている、という状態です。

しかし、大きな効果をもたらし県民の命を救う施設です。27年度の建設着手には、来年度の国の対応が重要となる訳ですから、もう時間がない。予算だけではなく、県がしっかりと支援した中で、山形県が一体となってこの施設を建てるんだという意思を、まさに今、示さなければなりません。

現状は、国は山形大学に地元の支援態勢を追求してくる、山形大学は県に具体的支援金額を明示しづらい、県は具体的金額の要請もないままにわざわざ自分から金額提示もしない、といった三竦みのような状態にあると言っていいでしょう。ですから今こそ、喫緊に、山形大学と密接に連携し、胸襟を開いて話し合い、県が予算も含めてどのように支援するかを明確にするべきです。

そして、こういうときこそ、まさにトップの英断が必要です。

4条件のうちでそろっていない「地元支援」の決断が遅れ、事業が遅れたりしてはないけません。頓挫するようなことはないとは思いますが、一日も早くできれば、それだけ多くの人が助かるのです。どうせできるんだから、などと悠長なことも言ってはいられません。

ぜひこのすばらしい施設を山形県全体で建てるんだという心意気を見せて欲しいと、知事及び執行部に強く強く求めました。