DSC_2124今回、6月定例会にて予算質問をしました。その内容を随時、報告します。

まず、一問目は、福祉関連産業の集積について、です。

少子高齢化社会において、今後、介護や医療の社会に占めるウェートは増加し、福祉関連産業の市場が大きくなっていくのは確実です。私はぜひ、この福祉関連産業の県内集積をはかって、福祉分野からの産業振興をはかりたいと考えています。
今首都圏は、介護を求める高齢者で飽和状態にあります。杉並区と南伊豆が提携して、介護施設を建て、杉並区の要介護者を受け入れているといった例が出てきました。こういった状況が山形県にも来るかもしれませんが、若い人材や労働力を首都圏に引っ張られ、介護が必要になった高齢者を地方が受け入れるのでは、日本における人材の偏在は全く是正されません。まして、介護の人材はこの山形でも全く足りず、その原因はとりもなおさず介護の職が低賃金できつい仕事だから誰も就きたがらないのであって、介護職員の処遇改善を抜本的に行わなければ、介護施設をもってくることが雇用の創出にならないのは明らかです。
ですが、視点を変え、県外のお年寄りも山形へ住んで下さいとお呼びするならば、福祉関連産業も一緒に集積させ、それによって産業を活性化させ、雇用を創出し、福祉産業先進県として発展することを同時に行うならば話が違ってきます。これからの高齢化社会、高齢者が安心して暮らせると同時に、福祉・介護の産業によって豊かになることを目指すべきだと考えます。

現状を見ると、医療機器産業への参入を県はバックアップしていますが、医療の分野の機器というのは非常に参入が難しい分野です。医師が首を縦に振らなければ買ってもらえないし、ロットも少なくならざるを得ません。
その点、医療関係よりも福祉関連産業の方が参入しやすく、市場としても広がりが期待できると思うのです。

ただ、新商品開発の企業支援や相談受付といった通常行う産業の目出しづくりでは、「福祉関連産業の集積」といえるほどの大きな波は作り出せないでしょう。そのためには、県を上げての取り組みが必要となります。

まずは、各部局が連携し、福祉側からのニーズをしっかりと把握し、また高齢者や障害者にとって住みやすく訪れやすいまちづくりを考え、福祉を行いやすい環境づくりとそれを支える福祉産業、という一体となったヴィジョンをつくり、そのヴィジョンに基づいて、本県経済の活性化に向けて動くべきだと考えます。そのヴィジョンづくりの際に、これまでは、福祉サイドでの基本方針やヴィジョンでしたが、それとは一線を画し、福祉サイドはあくまでもニーズを伝えるアドバイザーとなってもらい、経済界からの産業振興という視点で協議会を組織し、ヴィジョンをつくることが第一歩でしょう。

そしてその後、福祉の産業集積と福祉によるまちづくりのヴィジョンに賛同する市町村から手を上げてもらい、モデル地域となってもらいます。福祉産業を振興する施策を企業と協力して推し進め、福祉関連の機器を製造し、都市計画においても車いすで歩きやすいまちづくりなども同時に行い、高齢者や障がい者が住みやすく訪れやすい上に、さらに雇用が生まれるまち、というコンセプトで進んでいく市町村をつくっていくのはいかがでしょうか。

私は、市場の大きさという意味で言えば、裾野が広いのは車いすだと思っています。障がい者が乗るというイメージがありますが、そうではなく、歩くのが辛くなってきた高齢者の気軽な足として、車いす・電動車いすを位置づけて車いすを開発し、売り出すのです。車いすというよりは、電動カートや手押しのシルバーカーといったものでもいいわけですが、こうしたものはちょっと買い物やお出かけの足として相当なニーズがあり、実際、まちなかでかなり見かけますし、ネットなどを見ると盛んに売られてもいます。また、車いすは汎用性とカスタマイズ性が非常に大きいので、アイディア一つで様々な参入ができます。技術的にも、現存の技術で参入可能な製品です。高齢者の足としてとらえ、自転車や軽自動車を買うのと同じ感覚で販売すれば、かなり有望な市場だと思います。

また、私は昨年、議員有志とつくば市にあるサイバーダイン社のハルを視察してきました。これは、歩けない人に装着することで、脳波を感知して自分の足で歩けるように補佐するロボットです。革命的とも言えるロボットで、福祉分野でまだまだ伸びる製品だと実感しましたし、労働補助ロボットという意味でも非常に夢の広がるロボットでありました。まちがいなく将来、市場を席巻するだろうと思います。この会社は、各自治体と提携して進んできたいと言っており、実際いくつかの県や大学がこの会社と提携して、研究と製品開発の委託を受けています。私としてはぜひ山形も一枚かみたいと心から思います。そこには夢がありました。

車いすと福祉ロボットの二つの例を出しましたが、このように福祉を産業や夢というプラスの側面からとらえ、山形にその産業を集積することが、山形の未来を明るくすると思います。そうした産業を集積させると同時に、高齢者が住みやすいまち、高齢者が訪れやすい山形、というまちづくりや観光の面にも力を入れていくことで、本県経済の活性化が実現できると思います。

ぜひこうした福祉関連産業のヴィジョンをつくり、モデル地域をつくるなど、福祉の分野から山形の産業を振興したいと考え、知事に、こうしたグランドヴィジョンについて訴えました。

また、私はぜひ、「全国車いす大会」「電動車いすのF1」のような大会を天童の総合運動公園で開催したいと考えています。これを、福祉立県、車いす産業集積の山形県の旗揚げにしたいのです。

バッテリーの持久走や障害物競走などを行い、各社の車いすの機能を競って、同時に車いすの見本市も行う。こういった大会を行うことで、車いすへの意識変革と、周辺道路などについて、車いすにとって優しいまちづくりを進め、車いす産業の集積も加速させるのです。

いずれにしても、福祉をかわいそうとか大変だというマイナスのイメージではなく、雇用や夢といったプラスの側面からとらえ、福祉という分野から産業を振興させることが、今後必要なのではないでしょうか。中途半端ではなく、大きなヴィジョンを持って福祉立県山形を本気で考えていきたいです。