断水写真7月に発生した大雨被害と、天童ほかで発生した断水。今日は、県議会の臨時議会が開かれ、災害復旧と断水対策に対する補正予算が審議され、緊急的な対策と今後の方向性が議論されました。

天童においてはとくに断水が皆様に迷惑をかけまして、お詫びを申し上げるとともに、皆様の協力に感謝します。以下、今議会までの流れを受けて、ちょっと長くなりますが、今回の経緯と今後の対策についてご報告します。

原因としてはご承知の通り、村山広域水道(天童ほかの市町村に水を供給している水道)が取水している寒河江ダムの水が、大雨による土砂崩れなどが原因で濁ってしまい、水が通常通り作れなくなったのが原因です。

大雨のために土砂が流域の水に混じり、取水口では一時、普通の濁度10度の300倍の3000度まで上昇。水が作れなくなり、各市町村への水の供給を一時ストップしました。その後、濁度は下がって、数時間後には300度前後まで下がって、水も通常の70%程度を作れる状態に回復しました。そのため、天童にも通常の70%が配水再開されたのですが、問題だったのは、その後、濁度300度という数値がずっと下がらず、いつまでも配水量70%しか供給されなかったことです。

村山や上山では、貯水タンクをもっていないため、水が村山広域水道から供給されなくなるとすぐに断水してしまいます。そのため、これらの市がはじめに断水しましたので、優先的に水をまわして断水の解消に努めました。

天童では、最大2万リットルを貯蔵できるタンク(災害時には天童市民が一日つかっても大丈夫な量)があり、ここにいったん貯めて市内に配水するため、村山広域水道からの給水がストップしても、しばらくは断水することがありません。水が作れなくなっても断水せず、その後も順調に70%まで供給が回復したため、天童では配水が続けられました。しかし、予想外だったのはその70%の状態がずっと続いてしまったことです。

そのため、通常毎時770トンの水の70%をフルに使ってしまい、タンクに水がなくなってしまいました。ここで起こった現象が、タンクの水が減ったために、水圧がかからなくなり、標高が高い地域に水が行きづらくなって、そうした地域が断水してしまったのです。村山広域水道からの水は来た分だけ使ってしまい、タンクに水がたまらない。そのために水圧の関係で断水している地域が断水し続けるという状態に陥ってしまいました。

配水の水系は複雑なので、隣の家が水が出ているのに、うちでは出ていない、などという状況ができてしまいました。さらに、給水されている地域を断水にして、断水が続いている地域に水をまわすということも、技術的には無理なのだそうです。完全に水を止めてしまうと、水道管の末端に空気がたまり、再び水を給水すると空気鉄砲のようになって水道管が破裂してしまうことがあるからです。そのため、水量を絞ることはできても、「計画断水」とも言えるような、地域毎に出したり止めたり、ということは簡単にはできないということでした。

市としても非常に悩ましいところで、断水地域を任意に選べるのなら計画的に断水して、断水が連続する地域を出さないこともできたのでしょうが、私もこれを提案したのですが、技術的に不可能ということでした。

あとは、村山広域水道から水の供給を増やし、需要よりも供給を上回らせて、タンクに水を溜めるしかありません。

そこで、私と森谷県議とで方々をまわり、市長をはじめ市の水道局の努力もあって、山形市から水をまわしてもらったり、県の企業局から協力をもらったりして、少しずつ供給を増やし、最終的には通常の770トン毎時を上回る890トン毎時まで供給を増やすことができました。

これで、タンクの貯水量は順調に増え、よし断水が解消するぞ、というときになって二回目の大雨が来てしまいました。これで再び濁度が跳ね上がり、天童全域の断水となってしまったのです。

これにより、断水が最長8日間もつづく地域が出てしまいました。一回目と同じような努力を重ねて、一時間でも早い復旧を目指しましたが、また標高が高い地域だけが断水が続くという状況だけは避けるため、タンクに水が溜まるのを最大限待って、供給を再開しました。

以上が、今回の断水の経緯です。

今回は、たくさんの県内外からの支援をいただき、自衛隊からも出動してもらって(写真)、各方面からの協力に感謝しています。市民の皆さんにも、ご苦労なさりながらの協力をいただきました。

むろん、私の所にも市にもたくさんの苦情が来ました。これは仕方のないことだと思います。それだけのご苦労をかけたのですから。

ただ今回、想定外の災害の中で(あまり想定外という言葉は使ってはいけないのでしょうが)、市や県はよく対応してもらったと思っています。職員は不眠不休で給水作業や、一人暮らし高齢者や子育て家庭への支援を行い、復旧作業に全力を尽くしたことは、私も理解しています。

問題だったのは、そのことが市民に全く伝わらなかったことです。

現在どうして断水しているのか、どういう対策がとられているのか、どう執行部と職員ががんばっているのかが見えないために、市民の不安が増大し、我慢ができず、先への見通しが立たないという事態を招いたと思います。

今回は、道路の断絶や集落の孤立といった事態でないため、災害として当初HPに載ることもなく、そうしたことが市外の人への周知へとつながらずに、支援がおくれたという部分もあります。

しかしながら、大雨での断水は立派な災害です。

天童などの窮状を知ってもらい、さらに市民が自分の置かれている情報を知る、このための発信は、今回非常に下手で、対策が遅かった。

これは、行政として大いに反省すべきだし、今後こうしたワンクリック・ワンストップで情報が得られるHPの公開をはじめ、災害情報の発信について、県と市に強く強く訴えたところです。

さらに、今後の対策についてです。

こうした緊急事態のために、村山広域水道だけに頼らず、他の水系を確保し、独自の浄水場を維持すべきではないかという考えもあろうかと思いますが、それにかかる莫大な予算と、水道料金の値上がりを考えると、これは現実的でないと思います。

まずはなにより、村山広域水道において、今後こうした事態にならないよう、対策をとるのがもっとも近道です。

今回予想外だったのは、濁度が300度前後からいっこうに下がらなかったことにあります。そしてこれが断水の最大の原因でした。

そのため、今議会までに一番私も訴えたのは、浄水機能の向上ということです。

具体的には、水の濁度を下げ、泥を沈殿させる薬品の注入機能をアップさせることで、濁度が300~500度ほどあっても、通常通り100%浄水する方法です。3000度などという濁度では浄水が一時ストップするのはやむを得ないとしても、300度ほどでの浄水が可能であれば、長期的な浄水停止は避けられます。そうすれば、今回のような事態は避けられます。

これにプラスし、沈殿した泥を処理する排泥機能の向上、貯水池の拡大などを組み合わせることで、今回のような事態を招かないで済みます。

また、情報公開・発信、市町村との情報共有化と配水の一元化などのソフト対策も必要です。

今議会ではこうした対策が示され、こうした対策に対する補正予算が可決されました。

緊急的な対策と中長期的な対策により、今回のようなことが二度と起こらないよう、頑張って県と市に訴えて参ります。