今回の6月議会の一般質問の二問目は、大学生などの高等教育機関で学ぶ若者の育成支援について質問しました。

県は、人材育成を最大の目標として掲げていますが、幼児期から高校まではの子育て推進部及び教育庁、社会に出た後の技術習得やキャリアアップに関しては商工労働観光部がメニューを用意しています。
しかしながら私としては、その間の大学生・短大生といった高等教育機関の人材に対する支援という観点がすっぽりと抜けているような気がしています。
もちろん、大学自治という理念から、行政が大学に対して指導することはできない、という歴史があるために、これまで行政側に大学をはじめとする高等教育機関へ介入できなかったという事情は十分理解しています。高等教育機関にはそれぞれの建学の精神があり、これに対してどういう教育をしなさいと強制できないのは当然でしょう。
しかし、時代は変わってきました。大学はかなりの割合の高校生が進学する時代ですし、学者を育てたり研究のみに専念する単なる学究の府だけではなくなっています。学生達も積極的に社会活動に参加するようになっていて、国も社会に通用する人材を育成するよう大学側に要請しています。
県内においてもこれを受けて、大学コンソーシアムやまがたが設立され、それぞれの高等教育機関が連携して講座を構築しつつあります。フィールドワーク、地域課題の調査解決、起業家育成、リーダーシップ教育などを柱として、山形講座と銘打っていますが、内容的にも非常に社会との関わり、社会に通用する人材というものを強く意識しているのがわかります。
ただ、大学が社会とのつながりを持とうとしても、なかなか他団体と連携するにはいたっていないのが現状のようです。教授達の個人的なつながりで実地で学べる講座を立ち上げているようですが、山形にはいい事業を行っている公益団体がたくさんあります。
天童市を例にとれば、商工会議所青年部の「平成鍋合戦」、青年会議所の「全国中学生将棋大会」など、大きな事業を行っている青年経済人が集まる団体があります。そういった団体はこのごろ人数が減ってきていますので、学生さんの力やアイディアは大いに求めるところでしょう。これらの事業に学生さんが参加し、企画立案、外部との交渉、準備に対する膨大な事務などをともに経験することは、最高のフィールドワークになるでしょう。これは、学生とその少し上の世代の交流にもつながります。県としても、若者チャレンジプロジェクトなどの独自の事業は結構なことなのですが、ぜひ、こういった既存の団体の力と若者の力を合わせることを考えるべきでしょう。
また、企業や行政と学生の連携も、今後ますます進めるべきです。今回私は、山大の先生から、中国語や中国文化を学んでいる学生に対して、中国に関わっている企業や海外進出を担当する行政機関から講師を招いて授業を行い、将来的には中国での商談会などに学生を派遣して実地研修をする企画ができないものかと相談を受けました。こういった大学側の需要は他にもたくさんあるはずです。
それはリーダーシップ教育や起業家育成といった学生のスキルアップになると同時に、企業と大学の人材交流にもつながるはずです。語学力や工学の知識などのスキルをもった学生と、そうした人材をもとめる企業が交流できれば、学生の就職につながり、山形の優良な企業の発信と人材の地元定着につながるでしょう。
こうしたことを思い、今回提案したのは、大学・行政・経済界・公益団体などの橋渡しができる機関ができないものかということです。大学側が公益団体や企業などと連携して事業を行いたい場合、公益団体が学生と事業をする場合、企業が人材や情報を大学に求めたい場合、情報を集約してワンストップに相談に乗り、橋渡しをしてくれる場所・機関があればいいと思うわけです。
執行部としては、まだ端緒についたばかりですが、大学コンソーシアムやまがたが器としてありますので、ここに行政側や商工会議所などの経済界から人材を交流させたりして、私の意図するような機関へと育てる方針だという回答を得ました。
さらに、行政側の支援強化について。私も今回知ったのですが、高等教育機関となると担当は教育庁ではなく総務部学事文書課だそうで、少し違和感を覚えました。しかし、組織体制はともかく、人材育成を柱とする県としては、今後はより大学をはじめとする高等教育機関という視点をよりクローズアップしながら支援体制を強化し、部局横断的に人材育成の一本の線をつないでいかなければならないでしょう。この点に関しても、県の方向性を確認したところです。
大学コンソーシアムやまがたが橋渡しの役割を担うことにより、大学と行政や経済界の連携がさらに強まり、いい人材が育ち、そして山形に定着してくれることが、山形の未来につながると考え、こうした経済界などと連携した大学生の育成に対する支援について、今回は質問を行ったところです。